フキノトウでも出ていないかと思い、庭を歩いていたら良い香りが。
上を見たら枇杷の花が咲いていました。
食べられるようになるのは来年の6月くらいなのに、随分実になるまで時間が掛かるのだなと改めて感じます。
白くて小さな花は目立たないけれど、近づくとふわっと甘い香りがして、冬の庭にぽつんと春の予告編が置かれたようでした。
寒い時期に花を咲かせ、ゆっくりと実を育てていく枇杷は、どこかのんびり屋さんに見えます。
急がず、焦らず、ちゃんと季節を待つ。
その姿に、少しだけ背筋を正される気分になります。
私たちはつい「早く結果がほしい」と思いがちですが、自然はそんな要求には付き合ってくれません。
花が咲いてから実が色づくまでの長い時間も、きっと全部必要な工程なのでしょう。
途中で何も起きていないように見えても、水を吸い、陽を浴び、少しずつ準備をしている。
来年の初夏、オレンジ色に熟した枇杷を口にしたとき、今日この香りを思い出すのかもしれません。
何気ない庭のひとコマですが、待つ時間ごと味わうのも悪くないな、そんなことを思いながら、しばらく枇杷の木を見上げていました。


